漢方❤外来 先生、儲かりまっか?

 新見正則(帝京大学医学部外科准教授)・千福貞博(センプククリニック院長)・坂﨑弘美(さかざきこどもクリニック院長):著

2019年発行 B5変型 132頁
定価(本体価格2,000円+税)
9784880025902

内容の説明

開業医の先生向けにどうしたら外来が繁盛して楽しくなるのか、医療ビジネスの考え方、これからの10年をどのように乗り越えていったらよいのか、繁盛する外来の具体的実践方法、ご自分の専門に漢方をプラスしてワンランク上の診療をめざします。読む人に「ひらめき」を与えてくれるヒントがちりばめられています。

はじめに

 最近は、若い人に講演で、または授業で、そして個人的にも、3つの職業または特技を持つように勧めています。約30年前にインターネットが始まって、Googleの創業が約20年前で、iPhoneの登場が12年前です。この10年間の世の中の進歩は凄まじく、また以前ではまったく想像ができないスピードです。そんな世の中では5年先が不透明で、少なくとも10年先はまったく読めません。20歳前後までにひとつの職業を決めて、それに打ち込んで定年までの数十年をその技術で過ごして、その後はノンビリと隠居するという3段階の人生設計ですむ時代は終了です。同じ職業を生涯続けられる人は激減すると思っています。また、年金に多大な期待を持つことはできず、一方で健康寿命が伸びるなか、死ぬまで働くことを強制される人、あるいは働くことがボケ防止や生きる楽しみにつなげられる人もでてくるでしょう。
 漢方は医師や薬剤師の先生方が、自分の領域を広げるには最高の選択肢と思っています。領域が広がれば、当然に拝見できる患者数も増え、一人の患者さんを長く診ることができ、一人の患者さんのいろいろな訴えに介入できます。つまり必ずちょっと儲かることになるのです。漢方を使い始めると自然と総合診療に目が向くようになります。今の医学で治らない領域であれば、その道の専門家にこれ以上頼るよりも漢方という切り口で改善する可能性があるからです。他の人が治せない患者さんに感謝されるとまたまた勉強の意欲が湧くのです。
 近い将来、人工知能(AI)がますます進歩します。医療では少なくともフェイルセイフの立ち位置で使われるはずです。フェイルセイフとは失敗しても大惨事につながらないシステムのことです。人工知能は現状の情報からは「こんな疾患を疑いますよ」「こんな疾患の可能性が99%です」「その治療が間違っている可能性は100%ですよ」といったアドバイスが出るのです。そうであれば、診療は楽ですよね。昔は何年もかけてひとつの専門領域を極めたのですが、その積み重ねを人工知能が行ってくれるのです。総合診療的な立ち位置は人工知能の有益な活躍の場と思っています。そんなフェイルセイフのシステムができれば、モダン・カンポウ的立ち位置は不要かもしれません。つまり西洋医学で治らない訴えを保険適用漢方エキス剤で治療することがモダン・カンポウの立ち位置です。そんな専門医の意見を聞く前に、「その症状は慌てて病院やクリニックに行く必要はないですよ」「その訴えは漢方が適するでしょう」「その訴えは放置でもOKですが、漢方が有効なこともあります」とかをAIが推奨してくれるのです。そんな世界が近々訪れると思っています。先生方がご自分の専門領域と別に漢方薬を使いこなせるようになれば、現在の医療ではすぐに2つの専門をもてることになります。そして、ほかにも興味あることを持つ、いっそ他の職業もできる状態になれば、将来、AIが乱入し職を失うひとが増える世界になっても、AIのお陰で夢を膨らませることができる世界になっても僕達は生き抜くことができると思っています。そんなことを思う今日この頃です。

新見正則

おもな目次

これからの10年をどう生き抜くか?   新見正則
この10年を思う
モダン・カンポウ、和漢、そして現代中医学
モダン・カンポウを併用すれば必ず儲かる!
蘇州で出会った若きビジネスマン達と
ブルーオーシャンとROI
TTPとTTPS
LTVと坂﨑先生
キャズムとAIDMA
ビジネスモデルとマネタイズ

大人気の秘密   坂﨑弘美
はじめに
開業のきっかけ
開業する場所
開業資金
負けてもらう
保険請求にも興味を持って
面倒なのはお金の管理
法人化のすすめ
ただ忙しすぎる日々
漢方との出会い
漢方にはまる
私に漢方
スタッフにも漢方
スピードが命
漢方薬の飲ませ方の大切さ
繁盛耳鼻科の先生
どこも悪くない
風邪には漢方薬が一番
体質改善
気になった患者さんが来院されないとき
受験生の風邪予防にも漢方薬
ちょっとした症状こそ漢方薬
専門外にも漢方薬
口コミ
ママにも漢方薬
補中益気湯
漢方薬はレセプト病名が必要
望 聞 問 切
ブログでの発信
どこに行ったら?
決断
時間管理
少子化?
小児科医の楽しみ
開業医も勉強が必要
漢方薬を使うと儲かる?

ワンランク上のクリニック診療の秘密   千福貞博
はじめに
「大丈夫です。様子をみましょう!」は漢方薬を使うチャンス
「点滴をしたら元気になりそう」は「人参」
補中益気湯か、十全大補湯か?
味証
本当の十全大補湯
ついでに、生姜と乾姜について
原典を読むべきか?
鈴木さんの家問題
「気剤は軽く使え、血剤は重ねて使え」(前編)
「気剤は軽く使え、血剤は重ねて使え」(後編)
「気剤は軽く使え、血剤は重ねて使え」(おまけ)
換骨奪胎
胖大舌は「気虚」か「水毒」か
日本漢方とヘーゲルの弁証法
吉益東洞は科学者(1)薬徴
吉益東洞は科学者(2)類聚方
傷寒論をどう読むか?
八網弁証
集合図で考える