癌緩和ケア 必携 ベッドサイドで役立つ癌緩和ケアマニュアル
東原 正明 編著

2008年発行 B5判 146頁
定価(本体価格3,000円+税)
ISBN9784880026626

その他執筆者など▼
内容の説明▼
 がんの病態解明や診断法の開発は日進月歩であり、生存曲線データをみても一昔前と比べ明らかに優位差がみられる。しかし患者にとっては今の苦痛から解放されることが
より重要であり、緩和ケアの考え方が非常に遅れているのも事実である。
 本書は基本的な緩和ケアの知識をわかりやすく解説し、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛・霊的苦痛の四つの苦痛についての基本内容を再確認し、四つの苦痛すべてに緩和ケアがなされるよう、疼痛緩和とそれ以外の2項目に大きく分け解説。かつ各種の医療機関や終末期医療における倫理問題について説明。
 本書は患者や家族の痛み、精神面、社会面のケアをすることで、QOLの質を高めることを目的とした手引書であり、さまざまな専門職や医療スタッフの実践に役立つ好著である。
おもな目次▼
■癌患者数の実際と癌緩和ケアの診療の実際(東原正明)

■癌患者の苦痛(全人的痛み)への関わり
1.癌による疼痛の緩和
 a.疼痛のメカニズム(下山直人ほか)
 b.WHOがん疼痛治療法とは(白土辰子)
2.精神的苦痛に対するアプローチ(黒丸尊治)
3.社会的苦痛に対するアプローチ(堀越由紀子)
4.スピリチュアルペインに対するアプローチ(沼野尚美)

■疼痛の緩和ケアの実際
1.痛みの評価法(佐伯 茂)
2.WHO癌疼痛療法の実際
 a.NSAISDsとリン酸コデインの使い方(茅根義和)
 b.強オピオイド鎮痛薬の使い方(坂下美彦)
 c.癌疼痛治療薬の副作用への対応(高宮有介)
 d.持続皮下注射(木澤義之ほか)
 e.モルヒネが効きにくい痛みへの対応(末永和之ほか)
3.原因別疼痛緩和
 a.骨転移(本家好文)
 b.内臓痛(平川奈緒美ほか)
 c.脳脊髄への転移(玉岡 晃)
 d.筋けいれん痛(織田彰子ほか)
 e.神経障害性疼痛(織田彰子ほか)

■疼痛以外の症状の緩和ケアの実際
1.呼吸器の諸症状の緩和
 a.呼吸困難/死前喘鳴(棚田里江ほか)
 b.咳嗽/吃逆(田中桂子ほか)
2.消化器症状の緩和
 a.悪心・嘔吐/食欲不振(星野恵津夫ほか)
 b.味覚異常/口腔ケア(長 美鈴)
 c.下痢(角嶋直美ほか)
 d.腹部膨満/便秘と宿便(瀬戸泰之)
3.泌尿器症状の緩和(黒子幸一)
4.皮膚症状の緩和
 a.臭い/乾燥肌/かゆみ(藤原恵美子ほか)
 b.褥瘡/ストーマ(進藤勝久)
5.全身倦怠感(川辺圭一)
6.精神的ケア
 a.不安/不眠/抑うつ(森田幸代ほか)
 b.せん妄(田巻知宏ほか)
7.苦痛緩和のための鎮静(sedation)(小野充一)

■合併症のケア
1.Paraneoplastic syndrome(大石 実)
2.糖代謝・電解質異常(守谷利佳ほか)
3.DICと血栓症(毛利 博)
4.脊髄圧迫症候群(大阪 学)
5.上大静脈症候群(大阪 学)
6.癌性漿膜炎─癌性胸水、心嚢水のコントロール(大阪 学)

■感緩和ケアの倫理─尊厳死・治療中止・セデーションをめぐって─(齋藤有紀子)

■がん終末期患者をめぐる病診連携(早坂由美子)