認知リハビリテーション VOL.19 NO.1 2014
認知リハビリテーション研究会:編  
2014年発行 B5判 65頁
定価(本体価格2,700円+税)
ISBN9784880027524

その他執筆者など▼
内容の説明▼

福井俊哉先生の特別寄稿『認知症とともに進行する失語~その臨床症状,病態,治療の可能性~』ほか,原著4本,プロシーディング1本を掲載!

(編集後記より)
 今回の認知リハビリテーションVol.19の内容は大変濃いものとなりました。本巻は,福井先生の「認知症とともに進行する失語」に始まります。近年議論の多いLP型失語について,多くの論説が行われています。熟読ください。
 また,原著論文が4つ掲載されており,ターゲットとなっている領域は,高次脳機能障害例の食行動,段階的再学習訓練による失行症例,低酸素脳症例の自発行動などであり,とくに大東先生の「認知症の経過中に解離性同一性障害を呈した1例」は,精神科医にとって解離とは何かを考えるうえで,非常に重要な問題を提起されています。また,プロシーディングとして,近赤外分光法による認知リハビリテーションの分析が掲載されています。どれも貴重な論稿であり,ぜひ熟読ください。ここ数年,reviewをきちんとやってほしいという意見と,もうすこしおおらかで自由な雑誌が良いという意見の二つの方向を希望する声があり,すこし苦慮しているところです。斬新で自由度があり,かつ質が高いというのが理想と思われますが,今後の検討課題です。
 本年の第24回認知リハビリテーション研究会は,平成26年11月1日(土曜日)に研究社英語センター大会議室(神楽坂近辺)で行われます。この研究会が慶應病院以外で行われるのは久しぶりです。今回の特別講演は、運動とも言語の習得ともに関連深いミラーニューロンについて,村田先生にご講演をお願いしてあります。詳しくは,「認知リハビリテーション研究会」のHome pageをご覧くださり,ぜひご参集ください。なお,このHPからは,過去に本雑誌に掲載された多くの論文を読むことができます。過去に学ぶという意味でも,これもぜひご活用ください。 (加藤元一郎)

おもな目次▼

特別寄稿
認知症とともに進行する失語 ~その臨床症状,病態,治療の可能性~ (福井俊哉)

原  著 
1.高次脳機能障がい者への食行動ナビゲーションによる認知リハビリテーションの有効性
 ~健全な食生活遂行支援を目指して~
 (光森洋美・大出道子・佐野睦夫・宮脇健三郎・松井元子・大谷貴美子)

2.認知症の経過中に解離性同一性障害を示した1例  
 (大東祥孝・藤 若菜・原山恵梨子・田浦一樹)

3.動作の分解と再構成を用いた段階的再学習訓練が効果的であった失行症の一例
 (松井沙織・酒井 浩・清水賢二・田後裕之・高橋守正)

4.低酸素脳症により重度認知機能障害を呈した患者の自発行動を促すTo Doリストの試み
 (俵あゆみ・南 千尋・蜂谷敦子・鈴木可純・納谷敦夫)

プロシーディング
反応抑制障害の認知リハビリテーション ―近赤外分光法による検討― (柴崎光世)