認知リハビリテーション VOL.20 NO.1 2015

認知リハビリテーション研究会:編

2015年発行 B5判 80頁
定価(本体価格3,000円+税)
ISBN9784880027623

内容の説明

村田哲先生による特別寄稿『ミラーニューロンシステムの中の身体性』では,これまでの知見をもとにミラーニューロンが持つ身体と心を結ぶ役割について詳細に解説しています。その他原著5本,プロシーディング2本を掲載。

(編集後記より)

 人類の知の1ページになること。それが学術誌の使命であり存在意義であろう。そのためにはどの一冊も質の高い原著論文で構成されていなければならない。そして当然ながらそこに記されている研究は科学的,すなわち仮説検証的かつ再現可能なものでなければならない。だが認知リハビリテーションという領域は,科学することが容易でない分野の一つである。そして本研究会そのものが「気楽で自由な意見交換の場」を目指して発足したという歴史がある。
 厳密な科学か。それとも気楽で自由な意見交換か。ここに二律背反がある。
 そして発足当時の方針への固執は進歩を阻害する。他方,創始の理念を失えば会はあてもなく漂流することになろう。伝統か脱皮か。ここにも二律背反がある。
 本誌前編集委員長は,前号,前々号の編集後記に連続して「ここ数年,reviewをきちんとやってほしいという意見と,もうすこしおおらかで自由な雑誌が良いという意見の二つの方向を希望する声があり,すこし苦慮しているところです。斬新で自由度があり,かつ質が高いというのが理想と思われますが,今後の検討課題です。」と記しておられる。二律背反の課題の検討は,どこまでも続き解決することはない。
 だが,真の進歩は二律背反からこそ生まれるものであろう。

(村松太郎)

おもな目次

特別寄稿
ミラーニューロンシステムの中の身体性 (村田 哲)

原  著
1.タブレット型ITツールを用いた認知リハビリテーション ─失読失書の一例における導入効果の検討─
 (石原裕之・穴水幸子・種村留美・斎藤文恵・阿部晶子)
2.前頭葉病変を有する1症例に対する急性期からの作業療法
 (中村麻巳子・早川裕子・武藤里佳・三村 將)
3.軽度認知障害における視覚情報強化を用いた展望記憶向上方法
 (中川辰宏・藤田高史・木村大介)
4.現実的な思考が困難なために就職活動が妨げられている頭部外傷の1例
 (堀田章悟・元木順子・江口洋子・小西海香・三村 將)
5.高次脳機能障害者の自立に向けた調理行動振り返り支援システムに基づく認知リハビリテーション
 (大井 翔・佐野睦夫・渋谷咲月・水野翔太・大出道子・中山佳代)

プロシーディング
1.重度失語症者に対する散歩の促し─訪問言語聴覚士の取り組み─ (矢作 満)
2.OTON GLASS─読字困難者のリハビリテーションをサポートするウェアラブルデバイス─の体験可能なプロトタイプを用いた評価
 (島影圭佑・富永真紀子・石原裕之・斎藤文恵・穴水幸子)