認知リハビリテーション VOL.23 NO.1 2018

 認知リハビリテーション研究会:編

2018年発行 B5判 54頁
定価(本体価格2,500円+税)
9784880027784

内容の説明

 認知リハビリテーションVOL.23 NO.1には,一般投稿に加え,認知リハビリテーション研究会での発表内容をまとめた原著4本,抄録8本が掲載されている。頭部外傷や半側空間無視,注意欠如多動症など,さまざまな症状が取り上げられており,症例ごとのリハビリテーションや支援のポイントをわかりやすく解説している。本号には受傷後長期経過している患者のリハビリテーションについてまとめた論文がいくつか掲載されている。症例の経過を追いながら丁寧な評価を行い,退院後の生活や社会での役割等を見据えた関わりの重要性が伝わってくる貴重な報告である。ぜひ臨床に役立てていただきたい。

(編集後記より)

 2017年世話人会での決定により,本誌原著論文は一般投稿に加え,認知リハビリテーション研究会発表演題のうちから座長または代表世話人推薦により執筆をご依頼したものの2種類から構成されています。また,従来の「プロシーディング」にあたる論文は本号からは査読なしの「抄録」にかわりました。本誌の形式は少しずつ変革を重ねてきておりますが,生きた臨床の貴重な仕事を発表していただく場という創刊以来の方針は不変です。執筆者・査読者の先生方にあらためて感謝申し上げます。

(村松太郎)

おもな目次

原著
1.気づきの向上によりこだわりが改善した左側頭葉を中心とした頭部外傷の一例
 (黒後祐美・船山道隆・中島明日佳・松川 勇・中村智之)
2.外傷性右半球広範囲損傷症例への認知リハビリテーション
  ─受傷後11年 施設生活でのアパシーに対する取り組み─
 (赤沼知佳・平田 文・穴水幸子・前田眞治)
3.アルツハイマー病者の手続き記憶様動作が握力測定に及ぼす影響について
 (橋本宏美・藤田高史・木村大介・冨山直輝・加藤清人・磯野倫夫)
4.半側空間無視を呈した症例に対する訓練:ポインティングによる能動的アテンションシフトの利用
 (菅波美穂・松本かおり・秋野順代)

抄録
1.左被殻出血後に重度非流暢性失語および意欲低下を呈した若年発症例の長期経過と支援
 (岩佐香菜美・中川良尚・笹嶋侑子・近藤郁江・井上響子・中村菜都美・原 未来・佐野洋子・船山道隆・山谷洋子・加藤正弘)
2.交通外傷後の高次脳機能障害から11年の年月を経て地域作業所へ移行した一例
 (鈴木佐知歌・佐野有加里・小西川梨紗・島田司巳)
3.仮想空間上での片付け行動評価方式の提案
 (佐野睦夫・辻村拓実・大井 翔・田渕 肇・梅田 聡・斎藤文恵・堀込俊郎・三村 將)
4.エイリアンハンド症候群の手の能動的使用に対する段階的訓練の効果
 (根岸沙樹・清水賢二・田後裕之・木村匡男・高橋守正・和田沙織・酒井 浩)
5.ヘルペス脳炎による健忘症例への家庭復帰支援
 (近江千鶴子)
6.高次脳機能障害は子育てにどう影響するか
 (船山道隆・中川良尚)
7.境界域知能と注意欠如多動症を持つ児童に対する特性を考慮した読み書き指導について
 (横倉 航・金子 忍・畦上恭彦・穴水幸子)
8.成人ADHDに対する神経心理検査を用いた認知リハビリテーション
 (中島明日佳・船山道隆・中村智之・稲葉貴恵)