循環器緩和ケアの実際

水野 篤・河野隆志 企画編集

2019年発行 B5判 108頁
定価(本体価格2,800円+税)
内科系総合雑誌
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内容の説明

心不全の緩和ケアに診療報酬加算が認められて以降、循環器緩和ケアへの関心がさらに高まっている。
本号では、救急外来→集中治療→一般病棟→在宅という各フェーズ、心不全、成人性先天性心疾患、不整脈などの各疾患、事例検討では必ずテーマとなる症状緩和や意思決定支援についてと、「場面」「疾患」「内容」という切り口から循環器緩和ケアを論じていく。

そのうえで豊富な症例も盛り込んで臨床における工夫や課題を見つめ、よりよい緩和ケアの提供に少しでも貢献できるような特集となることをめざした。

おもな目次

【今月のアプローチ】
循環器緩和ケアの実際

巻頭言(水野 篤・河野隆志) 992

《シチュエーションにより緩和ケアに違いがありますか?》
1.救急外来(木村一貴) 994
2.集中治療領域(関根龍一他) 997
3.病棟における循環器緩和ケアの実際 ―まずは話し合うことから―(新美望他) 1000
4.外来・在宅医療の緩和ケア(弓野 大) 1003

《実際,緩和ケアの症状緩和はどのようなことをしていますか?》
1.痛み・呼吸困難への対処(瀧野陽子) 1008
2.精神症状への対応(林安奈他) 1014
3.社会的苦痛(齋藤慶子) 1018

《実際,緩和ケアの意思決定支援はどのようなことをしていますか?》
1.アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の実際(五十嵐葵) 1022
2.意思決定支援における倫理的ジレンマ(総論)(水野 篤) 1026
3.認知機能障害が疑われる患者における意思決定支援(小川朝生) 1030

《疾患別で注視するべき特徴:病みの軌跡の違いと緩和ケアのポイント》
1.心不全(鍋田 健) 1036
2.末梢動脈疾患・重症下肢虚血(宇都宮誠他) 1040
3.成人先天性心疾患(立野 滋) 1044
4.不整脈(鈴木 誠) 1048

《緩和ケアのケーススタディ》
1.代理意思決定者の妥当性に関するジレンマ(田山聡子他) 1052
2.治療選択の困難さと緩和ケア重視に変化するタイミングへのジレンマ―心臓移植登録を行った不整脈原性右室心筋症の症例を経験して―(若林留美) 1056
3.緩和ケアの症状と積極的治療の内容のジレンマ(石塚かつ子) 1060
4.手術など侵襲的処置の妥当性のジレンマ(山口徹雄) 1067
5.緩和ケアに時間がかかるジレンマ・加算が取れないジレンマ(木田圭亮他) 1071
6.状況による意思決定能力判断のジレンマ(福田旭伸) 1075

■私の処方■
高中性脂肪血症患者(藤末昂一郎) 1079
嚥下障害患者における投薬の見直し(野原幹司) 1080
大うつ病性障害の寛解を目指した薬物療法(寺田 浩) 1081

■診療の秘訣■
BATHE technique(樫尾明彦) 1083
マスク換気困難患者にはインターサージカルi‒gelを(上嶋浩順) 1085
血清トリグリセライド値が高いケース(藤岡由夫) 1086

■認知症の診断とともに患者さんに伝えたいこと■
「できなくなったこともさせた方がよいでしょうか」と相談されたときに伝えたい言葉(大石 智) 1087

■実践! 在宅救急現場リポート■
日本の在宅医療の現状と問題点(新田國夫) 1092
高齢者は治療すべきではないのか? 在宅医療20年の経験から(照沼秀也) 1096

○次号予告