日本転倒予防学会:監修者
武藤芳照(東京健康リハビリテーション総合研究所所長):編者
浅見豊子(佐賀大学医学部附属病院リハビリテーション科診療教授)
黒柳律雄(よみうりランド慶友病院診療部長)
内田泰彦(健康リハビリテーション内田病院院長)
高杉紳一郎(佐賀整肢学園こども発達医療センター副院長)
上内哲男(JCHO東京新宿メディカルセンターリハビリテーション室理学療法士長)
「杖を使わなくても、まだ十分に歩けると思うんだけどね~」
「時々、突いたときに滑って転びそうになるんだよ。なんとかならないものかね!」
患者さん、杖の利用者さんから、こうした言葉を言われたことはありませんか?
そして、納得してもらえるような対応ができていると自信をもって言えるでしょうか?
この本はこれまでほとんど刊行されたことがない、「杖の正しい使い方」を示した書籍です。
それぞれの杖ごとに備わっている機能・効果、持ち方・合わせ方、
さらには運動器や脳・神経に関する疾患ごとに、どのような杖をどう使用すればいいのかなど
まるごと1冊、医療的な杖の使用に役立つ知識にあふれています!
歩行の補助具として幅広く活用されている一方で
誤った使用による痛みの発生や、転倒事故なども起きているなか
正しく杖を使ってもらうためにも、ぜひ本書を役立ててください!
編集・執筆者一覧 3
序文 5
第1章 杖の基本知識
1.杖の分類と機能・効果 8
2.杖の形と構造 14
3.歩行のバイオメカニクスの基礎 16
4.杖歩行の生体力学・動作分析等 18
第2章 医療現場での杖歩行の患者指導・教育
1.どうすれば杖を使ってもらえるか?―杖歩行に抵抗のある方への勧め方― 24
2.杖のサイズの合わせ方 26
3.杖の使い方 30
4.白杖の特性と使い方および新技術の応用 38
Interview 木村敬一 白杖は、手の延長 持っていないとバランスが悪い 40
5.歩行器の構造と使い方 45
6.シルバーカーの構造と使い方 48
7.杖の指導・教育 ①リハビリテーション医学の立場から 51
8.杖の指導・教育 ②看護の立場からⅠ 53
9.杖の指導・教育 ③看護の立場からⅡ 55
第3章 運動器疾患、フレイル・サルコペニア、肢体不自由児における杖の選択と使い方
1.脊椎・下肢の骨折 58
2.変形性股関節症・変形性膝関節症 63
3.変形性脊椎症・腰部脊柱管狭窄症 68
4.関節リウマチ 73
5.下肢の切断 78
6.脊髄損傷(対麻痺) 83
7.その他の運動器疾患―通風性関節炎と足底筋膜炎― 87
8.フレイル・サルコペニア 91
9.肢体不自由児 96
第4章 脳・神経疾患における杖の選択と使い方
1.脳卒中後遺症 100
2.パーキンソン病(およびパーキンソン症候群) 103
3.運動失調 108
4,特発性正常圧水頭症 111
5.末梢神経障害 114
6.頭部外傷 118
column 「私と1本の杖との出会い」―ロフストランドクラッチのアトリエを訪ねて― 121
Special Topics スポーツと舞台芸術における杖
1.スポーツにおける杖 124
2.パラリンピックと杖 126
3.舞台芸術における杖 127
巻末 転倒予防川柳と杖 130
索引 131
column 杖百景……患者・使用者との会話のきっかけになる杖雑学
1.アスクレピオスの杖と医学 23
2.鬼平と杖 25
3.ウイスキーと杖 29
4.モーゼの杖 37
5.チャップリンの杖 52
6.シャーロック・ホームズの杖 54
7.ベートーベンの杖 56
8.刑罰と杖 56
9.杖の遊び 57
10.スフィンクスの謎々と杖 67
11.ヤマトタケルと杖突坂と芭蕉 72
12.正倉院の杖 77
13.弁慶と金剛杖 82
14.ツタンカーメンの杖 90
15.大津事件と杖 99
16.同行二人と延寿杖 99
17.駕籠かきの息杖 110
18.チャーチルの杖 117