大ヒット書籍『フローチャート漢方薬治療』の構成・解説を患者さん向けに易しく再編集。自分の症状に合う漢方薬を探せて医師への相談もスムーズに。医師は診察室や待合室に常備したい1冊。
はじめに
現代西洋医学ですべての訴えや症状が治れば漢方の出番は多くはありません.ところが,多くの方が,西洋医学では治らないと言われている症状や訴えで悩み,西洋医学で大分良くなったがさらに良くなりたいと希望し,西洋医学では病気ではないという病気予備軍的な訴えで困っています.つまり西洋医学では不十分なとき,西洋医学が合わないときなどに昔の叡智の結晶である漢方が結構役に立つのです.
では漢方の恩恵にあずかることは高価で難しいのでしょうか.そんなことはありません.日本では約150種類の漢方薬エキス剤が健康保険で認められています.そして,医師の処方せんがあれば,どなたでも安価で安全な漢方薬の恩恵にあずかれるのです.
しかしながら,医師のなかにも漢方は効かないと食わず嫌いで思い込んでいる人も多く,また使ってはみたいが使用方法がわからない医師も少なくないのです.まず,「先生は漢方を処方してくれますか?」と尋ねましょう.そして自宅の近くに,職場の近くに漢方に好意的な医師を捜しておきましょう.その医師は漢方だけの専門家である必要はありません.むしろしっかりした西洋医で,そして漢方ファンである医師がよいと思っています.
漢方薬は西洋医学的病名がない時代の知恵です.西洋医学的病名という仲人があれば,症状や訴えと治療薬が高率に結びつきます.漢方は西洋医学的な知恵がないので,現代的思考からは一見胡散臭いような漢方理論で処方選択の有効性を高めているのです.そんな漢方ですが昔の知恵ですので,難しい医学部で習うような詳細な知識は不要です.みなさんも少々勉強して,そして漢方に好意的な医師と,「まずこの漢方エキス剤をトライしてみよう」,「効かない時はつぎにこれをトライしてみよう」と一緒に,自分自身に最適な漢方エキス剤を探せばよいのです.そのための道標となる本です.
2015年6月吉日
新見 正則
はじめに
モダン・カンポウとはどういうことか
本書の特徴・使い方
自分の症状にはこれかな?
●春を乗り切る
花粉症
うつ状態やうつ病
●夏を乗り切る
夏バテ・暑さ負け
食べる気がしない
●秋を乗り切る
眠れない①
眠れない②
●冬を乗り切る
しもやけ
異常にのどがかわく
風邪にかかりたくない
インフルエンザ
冷え症
呑む前・二日酔い
●お腹の悩み
便秘①
便秘②
下痢(西洋薬がきかない)
胃もたれ,ムカムカ,胸焼け
シクシク・キューの腹痛
お腹にガスが溜まったら
●肌の悩み
にきび・吹き出もの
手荒れ・ひび・あかぎれ
じんま疹
湿疹・アトピー①
湿疹・アトピー②
湿疹・アトピー③
●風邪をこじらせない
何となく風邪っぽい
熱が出たら①(筋肉質のスポーツマンタイプ)
熱が出たら②(ややがっちりタイプ)
熱が出たら③(やや弱々しいタイプ)
熱が出たら④(虚弱な人,華奢な人)
痰の多い咳
いつまでもやまない空咳
●元気になりたい
しびれ
めまい①
めまい②
たちくらみ
疲れ・だるさ
●生活習慣病
高血圧の人に
心臓のドキドキを感じたら
がっちりした体格の肥満の人に
水太りタイプの肥満の人に
●年齢を感じたら
しゃくだけど昔と違う
男女を問わず更年期もどき
●人に言えない悩み
膀胱炎と言われたら
イボ痔
おしっこが近い
インポテンツ
悪夢
●女性の悩み
生理がくると楽になる人に
経血量が多い人に
生理・妊娠・出産の悩みに
妊娠中にも漢方
乳腺痛
不妊症・習慣性流産
体格で飲み分ける漢方薬
●子どもの悩み
おねしょ
夜泣き
子どもの常備薬
しょっちゅうお医者さんにかかる子どもに
●痛みを治す
脈打つ頭痛(片頭痛)
いろいろな頭痛に
神経痛には
骨や関節,筋肉の痛みに
腰痛が病の人に
ぎっくり腰
膝に水が溜まる人に
歩くと脚が痛い
むちうちや手のしびれ
打ち身・打撲
坐骨神経痛
帯状疱疹と言われたら
尿管結石と言われたら
●ちょっとコワい病気
腸閉塞を繰り返したら
肝炎になってしまったら
喘息で苦労している人に
COPDで苦しんでいる人に
透析の人に
入院してしまったら
がんになってしまったら
抗がん剤の副作用に
最期まで元気に
●鼻と口の悩み
鼻づまりやちくのう
のどの腫れに
鼻血で困ったら
のどがせまいと感じたら
口内炎
●目の悩み
花粉症による目のかゆみ
●足のむくみ
足がつる
下肢静脈瘤と言われたら
リンパ浮腫と言われたら
●突然の困った!
しゃっくり
●私だけおかしいの?
手足のほてり
のぼせ
●海外・旅行・出張・駐在に
海外旅行用漢方セット
●イライラしたら
認知症にも
おわりに
参考文献・参考資料
索引