保護者・学校関係者・スポーツ指導者・医師のためのこどものスポーツ医学 
浅井 利夫 著

2001年発行 A5判 130頁
定価2100円(本体2000円+消費税5%)
ISBN9784880024295

その他執筆者など▼
内容の説明▼
欧米の一流スポーツ選手やスポーツチームは、コーチから技術的な指導を受けると同時に、スポーツ医学を勉強した医師から医学的な指導を受けている。「スポーツ障害の防止」と「練習効果をあげる」ためである。
本書では運動やスポーツを愛好するこども、保護者、学校関係者、スポーツ指導者などが知っていてほしいこどもたちが直面しているスポーツ医学的な知識について解説。本書がこどもたちのスポーツ活動の一助になることに疑いはない。

(以下は「はじめに」より抜粋)
欧米の一流スポーツ選手や一流スポーツチームは、コーチから技術的な指導を受けると同時に、スポーツ医学を勉強した医師から医学的な指導を受けている。『スポーツ障害の防止』と『練習効果をあげる』ためである。スポーツもただ練習、練習という時代から医学的な知識や技術の科学的分析[作戦]の必要な時代になっている。必要な知識とは『スポーツ医学的知識』と『スポーツ科学的知識』である。
日本ではスポーツ医学という医学は、比較的耳新しい医学分野であるが、欧米ではたいへんに研究が進んでいるうえ、スポーツ現場で実践されている。
日本では『運動やスポーツを行っていれば健康』、『練習に練習を重ねれば強くなる』と盲信している運動やスポーツを愛好している子ども、保護者、学校関係者、スポーツ指導者がいる。たしかに、強くなるためにはある程度の量の練習が必要である。同時に運動野スポーツが、健康を害することがあることも知っている必要がある。『スポーツ障害』である。とくに練習や試合のやりすぎは『スポーツ障害』を招くことになる。運動野スポーツを愛好しているこどもにもスポーツ医学的知識やスポーツ科学的知識に基づいた安全で、楽しい運動やスポーツ活動が求められている。
子どもたちの運動やスポーツでは、やりすぎの反対の『運動不足』という問題もある。
『育児は親の勉強』。本書では運動野スポーツを愛好するこども、保護者、学校関係者、スポーツ指導者、医師などが知っておいてほしい子どもたちのスポーツ医学的知識について、これまで執筆してきたものを集め加筆し解説した。
本書が子どもたちのスポーツ活動の一助となればこれ以上の幸いはない。
おもな目次▼
第1章 問題点と現状
 運動やスポーツの必要性
 運動不足の背景
 運動不足の弊害 
 多発するスポーツ障害
 危ない運動部や地域のスポーツクラブ活動
第2章 子どもの特徴
 体重と身長の成長
 思春期
 成長や体格の評価法
 運動能力の発達
第3章 理想的なスポーツ指導
 理想的なスポーツ指導
 工夫した練習とルール
 適切な練習
 スポーツ強化
  精神面の強化/筋力トレーニング/生理のコントロール/生活上の注意
第4章 乳幼児のスポーツ医学
 ベビースイミング
 赤ちゃん体操
第5章 水泳の医学
 水中スポーツの特徴
 潜水性徐脈
 水泳中の不整脈
 水泳の功罪
第6章 スポーツの功罪
 スポーツの功罪
 活性酸素
 運動と寿命
 抗酸化的酵素
第7章 スポーツ障害
 急性内科的スポーツ障害
  突然死/熱中症/過呼吸症候群/運動誘発性気管支喘息
  食物依存性運動誘発性アナフィラキシー/脇腹痛/その他の障害
 慢性内科的スポーツ障害
  オーバートレーニング(慢性疲労)/スポーツ貧血/生理不順
  スポーツ心臓/血尿・タンパク尿/不登校
 主な整形外科的スポーツ障害
  捻挫/脱臼/肉離れ(筋線維束断裂)/突き指/脊椎分離症
  脊椎(分離)すべり症/オスグッド病/テニス肘/野球肘・野球肩
 少年野球への提言
第8章 スポーツ救急
 必要な道具
 実際
 心肺蘇生
  人工呼吸/心臓マッサージ
第9章 メディカルチェック
 メディカルチェック
 運動部部員の健康管理
 骨の健康
 歯や目の健康
 検査内容
  胸部レントゲン写真/心電図検査/運動負荷心電図検査
  24時間心電図検査(ホルター心電図検査)/
心エコー検査/血液検査/尿検査/診察・聴診/CT検査/MRI検査
 診断書
第10章 病気とスポーツ
 風邪とスポーツ
 慢性疾患とスポーツ
  心臓病/腎臓病/テンカン/川崎病/糖尿病/肥満児/運動処方
 水泳と病気
第11章 ドーピング
第12章 スポーツ医学の将来
 スポーツ医
 発育期のスポーツマン権利目録