フローチャート漢方薬シリーズに「女性版」が登場!
現在は婦人科でも診療を行っている新見正則先生と、女性のヘルスケアをライフワークとしてきた鈴木美香先生が、女性に有効な漢方薬を教えてくれます。婦人科的には問題がないものの、訴えが尽きない患者さんにきっと効果があるはずです。
はじめに
僕は不妊治療のクリニックのお手伝いもしています.大学の同級生に頼まれての応援部隊です.そのクリニックでは出産まで面倒をみています.そんな挙児希望の方への漢方薬と,そして産科領域の漢方薬を僕が担当しました.また産婦人科を専門としない医師がご婦人に処方する漢方薬を僕が書きました.そして,婦人科の専門医の立場から鈴木美香先生に婦人科領域の漢方薬の有用性を語ってもらいました.とても役に立つフローチャートになったと思っています.
いろいろな領域のフローチャートを作っていますが,もっとも基本となるのは10年前に上梓した『フローチャート漢方薬』です.松田邦夫先生から教えて頂いた叡智の結晶が『フローチャート漢方薬』です.その派生版のどこにも『フローチャート漢方薬』と矛盾する箇所はありません.
今回の書籍も,『フローチャート漢方薬』がベースです.そこに,女性を診ている専門家はこのように使う,専門家でない医師はその領域にこのように対処するとよいですよというノウハウをまとめたものです.
仮想病理概念の漢方に絶対はありません.和漢では現代中医学に比べて投与量も少なく,妊産婦に絶対禁忌な薬剤も含まれません.困っている患者さんに気軽に使用しましょう.みなさんの領域で患者さんの役に立てばいいのです.フローチャート的考え方を基本に使い始めてください。そして,みなさんの臨床経験をそこに加えて,みなさんご自身のフローチャートができ上がるお手伝いができれば本望です.
2019年5月
新見正則