脳の形態と機能 画像医学の進歩
福田 寛 編著
2005年発行 B5判 178頁
定価(本体価格10,000円+税)
ISBN9784880026459
その他執筆者など▼
執筆者:木之村重男、福田 寛、瀧 靖之、佐藤和則、川島隆太、岩田一樹、ホルヘ・リエラ、松田博史、篠遠 仁、福士 清、入江俊章、工藤幸司、ドロンベコフ・タラント・ケネショウィッチ、安野史彦、須原哲也、粟田主一、伊藤健吾、加藤隆司、阿部祐士、新畑 豊、伊藤 浩、奥 直彦、畑澤 順、社本 博
内容の説明▼
最近の画像装置の進歩はめざましいものがあり、CT、MRIなどの形態画像装置はもとより、PET、SPECT、fMRI、MEG、光トポグラフィーなど、非侵襲的に脳機能を測定・画像化する装置の進歩は著しい。これらの装置を用いた脳研究はいまや脳科学の重要な位置を占めるにいたっている。
本書では、我が国におけるこの分野の第一人者が分担して脳画像研究の最新の進歩を紹介し、わかりやすく解説しており、本書が脳科学研究の発展に寄与するのみならず、脳疾患の診断・治療診療に役立つことに疑いはない。
おもな目次▼
第1章 画像処理概論
1.解剖学的標準化
2.画像の平滑化
3.統計モデル
4.統計的解釈
5.Voxel-Based Morphometry
6.Cortical Thickness Analysis
7.Deformation Based Morphometry
第2章 脳形態解析
1.脳画像データベースプロジェクト
2.日本人脳MRIデータベースの構築
3.脳形態の加齢変化
4.日本人標準脳の決定
5.日本人とドイツ人の脳形態の差異
第3章 脳高次機能イメージングとその将来
1.ヒトを対象とした脳高次脳機能イメージング手法
2.NIRSイメージング
3.マルチモーダル脳高次脳機能イメージングとデータフュージョンに向けて
4.まとめ
第4章 痴呆の画像診断
1.本邦における痴呆の画像診断
2.画像統計解析手法とは
3.正常画像データベースの構築
4.アルツハイマー型痴呆における脳血流・代謝の変化
5.アルツハイマー型痴呆と他の痴呆との脳血流・代謝画像による鑑別診断
6.アルツハイマー型痴呆の薬物治療と脳血流・代謝画像の関連
7.アルツハイマー型痴呆における形態学的変化
8.部分容積効果の補正
9.まとめ
第5章 アセチルコリン分解酵素活性画像化による痴呆の診断
1.痴呆のコリン神経仮説
2.脳内コリン神経系とコリンエステラーゼ
3.脳内アセチルコリンエステラーゼ測定法
4.臨床応用
5.まとめ
第6章 PETによるアミロイドイメージング
1.レーガン研究所とConsensus Report
2.アミロイドイメージングとは
3.アミロイドイメージングの現状
4.プローブのさらなる発展性
第7章 統合失調症、うつ病の神経伝達物質受容体イメージング
1.統合失調症の神経伝達機能異常
2.気分障害の神経伝達機能異常
3.まとめ
第8章 統合失調症、気分障害の脳画像研究
1.Key Words
2.統合失調症のMRI研究
3.気分障害のMRI研究
4.今後の課題
第9章 パーキンソン病および類縁疾患のPET/SPECT
1.臨床応用の現況
2.EBMツールとしての利用
3.認知機能障害との関連
4.まとめ
第10章 正常脳における脳循環代謝
1.脳循環代謝測定
2.脳循環代謝諸量の正常値
3.脳循環調節機構
4.まとめ
第11章 脳血管障害における脳循環代謝
1.脳血管障害とPET
2.PETによる脳血管障害の診断
3.脳梗塞急性期の病態と治療
4.脳梗塞慢性期
5.慢性閉塞性脳血管障害
6.もやもや病
7.Hyperperfusion Syndrome
第12章 てんかん病巣の検出
1.てんかん外科と画像診断
2.MRI
3.PET
4.SPECT
5.まとめ