脳疾患によるアパシー(意欲障害)の臨床 
小林 祥泰 編著

2008年発行 B5判 176頁
定価(本体価格3,700円+税)
ISBN9784880026879

*改訂版が出版されました
その他執筆者など▼
執筆者: 小林祥泰、山口修平、加藤元一郎、鳥羽研二、岡田和悟、森 俊子、蜂須賀研二、ト蔵浩和、神保太樹、浦上克哉、加治芳明、平田幸一、山下英尚、小鶴俊郎、日城広昭、岡田 剛、山脇成人、橋本 学、岡崎哲也、生駒一憲、三村 將、小畔美弥子、立花久大、萬谷昭夫、藤川徳美
内容の説明▼
近年、アパシーとうつ状態とは機序も予後も異なることが明らかにされ、脳卒中後の精神症状やパーキンソン病などの皮質下性認知症を呈する疾患の精神症状の中核をなす重要な症状であることが判明し注目されている。
本書ではまず、最初にアパシーとは何かを神経内科と精神科の観点から述べ、アパシーの評価法、脳血管障害やアルツハイマー病、パーキンソン病、うつ病、頭部外傷などにおけるアパシー実態をまとめるとともに、事象関連電位や局所脳血流などによるアパシーの臨床科学的解析についても理解できるようになっている。アパシーの治療についてはまだ十分確立されていないが、現在可能な治療法でエビデンスのあるものをできるだけ取り上げた。
アパシーを単なる結果ではなく廃用性認知症の要因であることを認識していただければ幸いである。
おもな目次▼
序にかえて

第1章 総論
1.アパシー(意欲障害)とは─神経内科の立場から─
2.アパシー(意欲障害)とは─精神科の立場から─

第2章 アパシー(意欲障害)の評価
1.高度の意欲低下でも測定可能なアパシー(意欲障害)の評価─Vitality Index
2.軽度~中等度例のアパシー(意欲障害)の評価─やる気スコア
3.高齢者の総合的機能評価
4.脳卒中感情障害(うつ・情動障害)スケール
5.脳卒中後のアパシー(意欲障害)はADLに影響を及ぼすか

第3章 脳疾患とアパシー(意欲障害)
1.脳血管障害におけるアパシー(意欲障害)
2.無症候性脳血管障害におけるアパシー(意欲障害)
3.アルツハイマー型認知症におけるアパシー(意欲障害)
4.パーキンソン病におけるアパシー(意欲障害)
5.うつ病におけるアパシー(意欲障害)
6.外傷性脳損傷におけるアパシー(意欲障害)

第4章 アパシー(意欲障害)の検査
1.アパシー(意欲障害)の客観的評価
2.アパシー(意欲障害)と事象関連電位
3.アパシー(意欲障害)と脳血流
4.アパシー(意欲障害)と認知機能検査

第5章 アパシー(意欲障害)の治療
1.脳血管性アパシー(意欲障害)の治療
2.アルツハイマー型認知症におけるアパシー(意欲障害)の治療
3.パーキンソン病におけるアパシー(意欲障害)の治療
4.うつ病におけるアパシー(意欲障害)の治療
5.アパシー(意欲障害)のリハビリテーション