抗加齢医療 その最前線の実際
米井嘉一 編

2010年発行 B5判 220頁
定価(本体価格4,500円+税)
ISBN9784880026961

その他執筆者など▼
内容の説明▼
(編者序文より抜粋)

抗加齢医学(アンチエイジング医学)がめざしているのは生活の質(Quality of Life:QOL)の向上と健康長寿です。あらゆる科学を結集して加齢や老化のメカニズムを究明し、老化の程度と危険因子を診断し、どうすれば健康長寿を達成できるかを考え、抗加齢医療を実践します。平均寿命をみると日本は世界に誇る長寿国ですが、健康寿命との差が7から8歳ほどあります。この健康寿命と平均寿命の差をなくすことが重要です。具体的目標を提示すれば、介護のいらない高齢者をつくる、寝たきりをつくらない、認知症を予防する、癌を予防することが目的となります。
雑誌『Modern Physician』に「抗加齢医療~診断と治療の最前線」の特集が組まれたのは2006年のことです。“最前線”とタイトルにあるようにまだまだ医学的証拠(Evidence Based Medicine)が十分でない分野でありました。執筆者たちは、これまでのデータをもとにして将来の医療の方向性を提示するという使命を背負い、かなり苦労して原稿を書かれたことと思います。その勇気と開拓者精神に感謝しております。おかげさまをもちまして、抗加齢医療の特集号がたいへん好評だったということで、このたび単行本として再編集する運びとなりました。そして新分野を追加して良いとのこと、内容がさらにパワーアップされたと確信しております。
日進月歩が早い医学領域で3年前の情報(予想?)が現在でも通用し、しかも進化しつづけることは決して容易なことではありません。偶然とか、単に運が良いだけは決してないのです。日本抗加齢医学会に関わる多くの研究者、臨床家の皆様が、それぞれの領域のエキスパートであり、既存の医学データをもとに新たな領域を切り開くパイオニアであるからです。
限られた紙面ですべての情報を提供するわけにはいきませんが、抗加齢医療の現場の息吹を感じていただけたらと願っております。
おもな目次▼
第I章 序論
1.健康食品・サプリメントの機能評価システム
2.NPO法人 日本抗加齢協会の倫理委員会の理念
3.アンチエイジング医療を実践する医療機関への支援システム
4.アンチエイジングドックについて
5.アンチエイジングにおける肝臓の役割
6.東洋医学からみたアンチエイジング

第II章 診断法―総論
1.アンチエイジングドックの検査項目
2.血管年齢の評価方法
3.ホルモン年齢の概念と評価方法
4.酸化ストレスマーカーの検査方法
5.糖化と抗糖化

第III章 治療法―総論
1.食生活のポイント
2.抗加齢を考えた運動処方のポイント―基本運動のモデル
3.精神療法のポイント
4.サプリメントの選び方
5.抗酸化サプリメントの選び方
6.メラトニン,DHEAの処方

第IV章 治療法―各論
1.産業医からみたアンチエイジングのメリット
2.アンチエイジングとリハビリテーション
3.肺年齢と呼吸器のアンチエイジング
4.腸年齢とアンチエイジング
5.骨代謝とアンチエイジング
6.婦人科医からのアンチエイジング・アドバイス
7.泌尿器科医からのアンチエイジング・アドバイス
8.皮膚科医からのアンチエイジング・アドバイス
9.耳鼻咽喉科医からのアンチエイジング・アドバイス
10.整形外科医からのアンチエイジング・アドバイス
11.内科医の実践する美容皮膚科療法
12.消化器内科医からのアンチエイジング・アドバイス
13.眼科医からのアンチエイジング・アドバイス
14.歯科医からのアンチエイジング・アドバイス

第V章 トピックス
1.地域医療としてのアンチエイジング―福井県の取り組み
2.QOL改善のための外科手術―からだにやさしい腹腔鏡下胆嚢摘出術とヘルニア修復術
3.動脈硬化の危険因子とその対策
4.脳の老化予防
5.EDからアンチエイジングを考える
6.頭髪のためのアンチエイジング
7.アンチエイジングとダイエット
8.キレーション療法
9.内科医のためのコエンザイムQ10基礎知識
10.アンチエイジングドック支援システムAge Management Check(R)の使用経験
11.再生医療とアンチエイジング
12.喫煙・タバコ
13.睡眠
14.臨床現場のストレス
15.筋におけるアンチエイジング