認知症のスピリチュアルケア こころのワークブック
エリザベス・マッキンレー、コリン・トレヴィット:原著
遠藤英俊、永田久美子、木之下徹:監修
馬籠久美子:翻訳
2010年発行 B5判 104頁
定価(本体価格2,000円+税)
ISBN 9784880027012
内容の説明▼
認知症ケアが今、大きくかわりつつある。「してもらう - してあげるケア」から認知症の人自身が希望を見出し、今を生きる意味をみつけられるよう「ともに歩むケア」への変革である。その世界的な潮流の先駆けとなったクリスティーン・ブライデンが、認知症と診断された後、絶望の淵から歩み始め、2冊の著書『私は誰になっていくの?』『私は私になっていく』を世に出すため、重要な役割を果たした女性がいた。エリザベス・マッキンレー、看護師で牧師である。彼女はただただクリスティーンの話に耳を傾け、「私はなくならない。私は私になっていく」とクリスティーン自身が希望を見出すまで旅路をともに歩んだ。そしてその「旅路の歩み方」を、誰でも使える方法にまとめあげる研究を行い、実地に試し、世に問うた。
それが「認知症の人のためのスピリチュアル回想法」である。
本書を通じて、「認知症になった後も、自分の人生の主体でありたい」と願うすべての人たちと、その旅路をともに歩みたいと思う人たちによる、「認知症ケア新時代」が始まることを願う。
おもな目次▼
日本語版刊行にあたって
I.「スピリチュアル回想法」学習教材
序
この学習教材の使いかた
A.スピリチュアルケアとは
B.認知症とは
C.コミュニケーションについて
D.認知症の人と回想法を行うときの注意
E.スピリチュアル回想法とは
F.スピリチュアル回想法の実際
第1週目:人生―生きることの意味
第2週目:人間関係―孤立すること,つながること
第3週目:希望,恐れ,心配
第4週目:老いること,超越すること
第5週目:宗教の信仰,スピリチュアルな関心
第6週目:信仰の実践,スピリチュアルな関心の実行
付録:スピリチュアル回想法のグループで取り上げる話題
文献
II. 認知症の人と歩み ともにケアを創る
クリスティーンとの対話から生まれた「スピリチュアル回想法」
III. 認知症ケア新時代
「希望」に向かって共に歩み続けよう
認知症とともに生きる人の声に耳を澄ませながら
IV. 日本のケア現場との接点
エリザベスとの出会い
V. エリザベス・マッキンレー取材記
その人自身の文脈で一番深いレベルで考える