学生・教員の声を反映させ、初学者が読破できるようエッセンスのみに絞った神経学のサブテキスト。リハ学生の国試対策、メディカルスタッフの要点整理にも最適な一冊。
序
本書は神経学の入門書である。とはいえ初学者のみならず、すでに神経学を学んだ人たちにとっても要点の整理に役立つことを念頭に著したものである。
神経学は複雑で、必要とする知識は膨大かつ網目のように入り組んでいる。そのためか既存の教科書や成書は概して大部である。これでは、負担が大きく読破できず挫折する読者も少なくないのではなかろうか。また神経学を俯瞰する上では必ずしも適切ではない。
上記の背景や実際に講義を受け持った体験から、神経学のエッセンスを生かしつつ、既存の教科書に比べよりコンパクトで平易なcore textの必要性を痛感してきた。このような思いを新興医学出版社社長の林峰子氏にお話ししたところ、幸いにも賛同をいただき、本書の出版への道が開けた次第である。
さて、臨床で遭遇する症例の神経学的病像は多彩である。これら多様な臨床像を正確に把握するための最初の一歩は神経学の基礎を学ぶことにある。そのためには適切な解説書が不可欠だ。
本書では余分な説明は思い切って削ぎ落し、神経学の本質を簡潔かつ分かりやすく記述することとした。これによって神経学の全体像の把握が容易になるであろう。また、補足的事項をメモとして適宜挿入し理解の助けとした。
本書が神経学に関心を抱いている学生諸君や医師さらにはリハビリテーション関係の皆さんにとって身近な手引書となれば望外の幸せである。
なお、出版にあたり先述の新興医学出版社社長の林峰子氏にはひとかたならぬご支援を頂いた。ここに深甚の謝意を表したい。
2013年6月
編著者
第1章 神経系の分類
第2章 神経症候
A 意識障害
B 高次脳機能障害
C 運動障害
D 感覚障害
E 球麻痺
F 主な脳神経障害
G 頭痛などの疼痛
H めまいと平衡障害
I 自律神経症候
第3章 臨床検査
A 画像検査
B 電気生理学的検査
C 障害評価
第4章 神経疾患各論
A 脳血管障害
B 脳腫瘍
C 頭部外傷
D 正常圧水頭症
E 認知症
F てんかん
G 中枢神経感染症
H パーキンソン病
I パーキンソン症候群
J 不随意運動を呈する疾患
K 脊髄小脳変性症
L 運動ニューロン疾患
M 脱髄性疾患
N 末梢神経障害
O ミオパチー
P 神経筋接合部疾患
Q 脊髄疾患
参考図書
索引