認知リハビリテーション VOL.21 NO.1 2016

認知リハビリテーション研究会:編

2016年発行 B5判 76頁
定価(本体価格3,000円+税)
ISBN9784880027654

内容の説明

橋本圭司先生による特別寄稿『高次脳機能障害 どのように対応するか ―小児から高齢者まで―』では,高次脳機能の問題を抱えた人々にどのように向き合うべきか,問診や検査,支援のポイントをふまえわかりやすく解説しています。その他原著2本,プロシーディング6本を掲載,遠隔記憶検査作成の試みや,地域高齢者に対する認知症予防の一環として作成された課題などを紹介し,高次脳機能障害例に対するリハビリテーション,アプローチ法について様々な角度から論じています。

(編集後記より)

 正確な評価あっての認知リハビリテーションである。そして正確な評価は信頼性の高い検査があって初めて可能になる。検査の信頼性の指標の一つは,その検査が長く使い続けられていることであるが,遠隔記憶検査は例外で,材料が古くなると実用にならなくなる。したがってアップデートが必須だが,それは地味で煩雑な作業であり,着手には躊躇されることが否めない。この重要な仕事を実行し見事にまとめたのが本号の江口論文である。ここに優れて臨床的な大森論文を加えた原著論文2稿,および臨床場面が息づくプロシーディング6稿,そして橋本圭司先生の特別寄稿をあわせ,充実した誌面を作ることができました。寄稿いただいた先生方に感謝申し上げます。

(村松太郎)

おもな目次

特別寄稿
高次脳機能障害 どのように対応するか ─小児から高齢者まで─(橋本圭司)

原  著
1.有名人の顔が含まれる社会的出来事写真を用いた遠隔記憶検査作成の試み
 (江口洋子・穴水幸子・斎藤文恵・阿部晶子・松田博史・三村 將・加藤元一郎)
2.「グー・チョキ・パー」を口腔顔面運動で表現した「口腔顔面運動による後出しじゃんけん」施行における加齢性変化
 (大森智裕・穴水幸子・谷合信一・牛窪祐紀)

プロシーディング
1.高次脳機能障害者の就労訓練
 (船山道隆・成塚陽太・松川 勇・川島広明・中島明日佳)
2.脳室穿破を伴った左視床出血の長期経過
 (中島明日佳・船山道隆・馬場 尊・中村智之・稲葉貴恵・川島広明)
3.社会的行動障害を呈する2例の多面的アプローチによる支援経過 
 (八木真美・平岡 崇・花山耕三・種村 純・椿原彰夫)
4.前脳基底部健忘重症例に対するアプローチ ─長期的な記憶リハビリテーションの有効性を考える─
 (山本小緒里・西川順治・穴水幸子)
5.脳損傷患者の言語流暢性課題と二重課題干渉 ─注意機能の役割に関する検討─
 (有川瑛人・窪田正大・原口友子)
6.高次脳機能障害者の問題への対処 ─質問票を作成し支援計画に活用した実践報告─
 (横山典子・中村 光)