
日本転倒予防学会:監修
武藤芳照(日体大総合研究所所長)・鈴木みずえ(浜松医科大学臨床看護学講座教授)・饗場郁子(国立病院機構東名古屋病院神経内科):編著
高齢者の転倒予防はより多くの職種がかかわるほど、より効果的な予防対策に結びつく!
病院で、施設で、今日から多職種協働の“転倒予防チーム”をつくり上げるためのヒントがここにつまっている!
各分野の転倒予防スペシャリストたちが編み出した“成果につながるチームの知恵”を学ぶべし!
序 文
「天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず」(孟子)とされる。それぞれの分野・領域での大きな事業や重要な活動・業務を進めるに当たって、この「天地人」が必要であることは、古来様々な場面で語られてきた。「人の和」は「人の縁」と読み替えてもよいかもしれない。2016年9月吉日
編著 武藤 芳照
鈴木みずえ
饗場 郁子
あとがき
2016年夏、リオデジャネイロオリンピックでの日本選手の活躍が連日報道されている。なかでも団体戦では個々の選手の力に加え、チームワークが勝敗を決める。個々の力はチームになると何倍にもなる。苦しい時も仲間がいれば支え合える。いい時も悪い時も共にすることで、さらに絆が深まる。チームで力を合わせる素晴らしさを連日目の当たりにし、感動と勇気をいただいている。転倒予防も同じである。各々の職種がはたす役割は、それぞれ重要であるが、多職種がチームとして連携することにより、とても大きな力になる。2016年8月吉日
饗場 郁子
1章 多職種と多職種連携
1.多職種連携による転倒予防チームが求められる背景
2.転倒予防チームづくりの場と専門職の連携教育
3.転倒予防のための多職種連携チームのモデルとその展開
4.スタッフの「気づく力」と「見守る目」を育成するための事例検討
5.転倒予防チームを楽しく継続できる工夫とコツ
2章 転倒予防チームを構成する各専門職の視点と役割
1.医師
2.看護師
3.保健師
4.老人看護専門看護師
5.認知症看護認定看護師
6.理学療法士
7.薬剤師
8.健康運動指導士
3章 多職種連携による転倒予防チームの活動の実際
1.地域における転倒予防チーム
1)地域ぐるみの運動の普及を通した転倒予防活動〜島根県雲南市の事例〜
2)地域づくりをめざした転倒予防活動〜長野県東御市の活動〜
2.病院における転倒予防チーム
1)東名古屋病院の転倒予防チーム「チーム1010-4」の取り組み
2)国立長寿医療研究センターの取り組み
3)名古屋医療センターの取り組み
3.高齢者施設における転倒予防チーム
1)転倒による中度・重度外傷のない事業所の取り組み
2)多職種恊働のリスクマネジメントによる二次予防の有効性
3)認知症高齢者に対する介護施設での転倒予防の実践
4.ロボット技術やゲーム機の特性を活かした運動機能向上〜手段的訓練と目的行為〜
4章 転倒予防に役立つ各種資料
1.転倒予防のための事例集
1)J-FALLS転倒予防事例集
2)運動普及活動時のヒヤリ・ハット事例集
2.転倒予防川柳
1)日本転倒予防学会の転倒予防川柳
2)東名古屋病院チーム1010-4の取り組み〜川柳で 転倒予防の 策伝え〜
3.再骨折予防手帳
4.転倒予防川柳日めくり
5.転倒予防カルタ
6.日本転倒予防学会推奨品