
子どもを診るときの視点、症状説明の仕方や治療・対応のポイントをわかりやすく解説した大好評書籍「子どもの心療内科」の改訂版!
家族、学校の先生など子どもを取り巻く環境も重視し、症状の時期、段階に合わせた適切な対応、社会生活へのつなげ方を学べる臨床対応ハンドブックです!
改訂にあたって
「子どもの心療内科」を上梓して10年以上が経過しました。その間,少子化が進行し,子どもの数は着実に減少しています。しかし,こころの問題を抱えた子どもの数が減少する気配はありません。神経発達症(発達障害)の認識の広がりとともに,外来の初診受付は数ヵ月待ちがあたりまえの状態です。こんな状況だからこそ,子どもに関わる医師をはじめとする医療従事者,教師,心理士,福祉関係者の多くが,子どものこころの問題について知り,適切に対応することが必要であるといえます。この10年の間に,こころを診る小児科医と子どもを診る精神科医の連携が進み,新しい診断基準や診療ガイドラインが発表され,子どもに保険適用のある薬物も増えました。そのような新しい知見をもとに内容を一新したのが,この「身体・行動・こころから考える 子どもの診かた・関わりかた」です。改訂作業を通して感じたのは,病名や診断基準,治療法など,変化した部分も多いものの,臨床家としての基本的な姿勢や考え方については変わらないところが多いということです。本書は,エビデンスに基づく科学的かつ具体的な治療法というよりも,そのような臨床場面で子どものこころを診るときの基本的な考え方を中心に記載しました。本書を手にした先生方が,子どものこころの問題により興味を持ち,臨床の場で活用していただけることを期待しています。2020年3月31日
小柳憲司
Chapter 1:心身医学と心療内科
心身医学とはなにか
心療内科とはなにか
子どもの心療内科
Chapter 2:心身相関と心身症
心身相関と不安
心身症のメカニズム
心身症の発症に関わる問題
Chapter 3:心身医学における治療
治療の考え方
治療の進め方
診療の枠組み
Chapter 4:具体的な診療手順
情報収集
初期判断
治療動機の形成
継続治療
Chapter 5:不登校に伴う問題
不登校状態
不登校と関連しやすい身体疾患
Chapter 6:摂食と排泄に関わる問題
摂食障害とその近縁疾患
排泄に関わる疾患
Chapter 7:精神と行動の問題
幼児期に始まる行動の問題
児童期・思春期の精神と行動の問題