新薬ラコサミド、ペランパネルに加え、既存の抗てんかん薬に関するこの10年の知見を加筆した10年ぶりの改訂版。
新しい抗てんかん薬を適切に使用すれば70%の患者で発作が抑制されると報告されています。エキスパートの抗てんかん薬の特質、副作用、適切な使い方の理解を深め,治療効果が高まる1冊。
第1章 抗てんかん薬の作用機序 16
A ゾニサミド(zonisamide:ZNS) 16
1.ZNSの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 16
2.ZNSの作用機序 18
B ガバペンチン(gabapentin:GBP) 19
1.GBPの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 19
2.GBPの作用機序 20
C トピラマート(topiramate:TPM) 21
1.TPMの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 21
2.TPMの作用機序 22
D ラモトリギン(lamotrigine:LTG) 24
1.LTGの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 24
2.LTGの作用機序 25
E レベチラセタム(levetiracetam:LEV) 25
1.LEVの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 25
2.LEVの作用機序 26
F ラコサミド(lacosamide:LCM) 27
1.LCMの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 27
2.LCMの作用機序 27
G ペランパネル(perampanel:PER) 27
1.PERの抗けいれん作用・モデル動物に対する効果 27
2.PERの作用機序 28
第2章 臨床薬理学的側面からみた第二世代抗てんかん薬の特徴 37
A 第二世代抗てんかん薬の薬物動態学的特徴 38
1.ガバペンチン(gabapentin:GBP) 39
2.トピラマート(topiramate:TPM) 39
3.ラモトリギン(lamotrigine:LTG) 41
4.レベチラセタム(levetiracetam:LEV) 42
5.ゾニサミド(zonisamide:ZNS) 42
6.ペランパネル(perampanel:PER) 43
7.ラコサミド(lacosamide:LCM) 43
B 第二世代抗てんかん薬の有害事象 44
C 第二世代抗てんかん薬の投与設計と有効血中濃度域 46
D 第二世代抗てんかん薬の薬理遺伝学 47
第3章 てんかん薬物療法の概要と課題 53
A てんかん薬物療法の流れ 53
B AED単剤療法の意義と限界 56
1.単剤療法(monotherapy)のメリット 56
2.AED単剤治療による治療効果の概要 57
3.いわゆる新規AEDによる単剤療法の意義 58
C AED療法の限界と難治性(薬剤抵抗性)てんかん(refractory or drug-resistant epilepsy) 59
1.難治性てんかん(薬剤抵抗性てんかん)とは? 59
2.薬剤抵抗性発現に関連するてんかんの分子病態 61
D 多剤併用療法(polytherapy)の意義と限界 64
1.AED変更(switch)か付加投与(add-on)か? 64
2.AED変更時のtransitional polytherapy 64
3.合理的な多剤併用療法(rational polytherapy)とは? 65
E AED療法の限界 69
1.いかなる段階でAED療法の限界を判断するか? 69
2.多剤併用は単剤療法よりも効果があるのか? 70
3.新規AEDの付加による多剤併用の有用性について 71
F AED療法の限界の克服に向けて 73
第4章 ガバペンチンのてんかん治療における意義 78
A ガバペンチンの薬理学的特性 79
B ガバペンチンの有効性 80
1.成人の難治焦点てんかんに対する有効性 80
2.成人の焦点てんかんに対する単剤療法 82
3.高齢発症てんかんに対する治療効果 82
4.全般てんかんに対する治療効果 83
5.てんかん治療ガイドラインにおけるGBPの位置付け 83
C ガバペンチンの副作用 84
D ガバペンチンの使用上の留意点 84
E てんかん治療におけるガバペンチンの意義 84
第5章 トピラマートのてんかん治療における意義 88
A トピラマートの薬物動態 89
B トピラマートの薬物相互作用 89
C トピラマートの副作用 90
D トピラマートの用法・用量 90
E 海外の診療ガイドラインにみる本剤の位置づけ 92
F 各種てんかん発作ならびにてんかん症候群に対する有効性 93
1.成人難治焦点てんかんに対する有用性 93
2.単剤療法の有効性 94
3.特発性全般てんかんに対する効果 95
4.小児のてんかん 95
5.てんかん性脳症に関する効果 96
G てんかん以外の有効性 99
第6章 ラモトリギンのてんかん治療における意義 103
A ラモトリギンの標的症状 104
1.薬効の広域性と単剤療法の可能性 104
2.抗うつ効果 106
B ラモトリギンの臨床上の特徴 108
1.有効性と忍容性 108
2.薬剤相互作用と半減率 109
C ラモトリギンの副作用 114
1.薬疹 114
2.妊娠・出産時 116
3.認知機能 116
4.体重変化 117
D ラモトリギンの使用上の留意点 117
第7章 レベチラセタムのてんかん治療における意義 121
A レベチラセタムの有効性 121
1.成人の焦点てんかんに対する有効性 121
2.小児の焦点てんかんに対する有効性 125
3.高齢者の難治性焦点てんかんに対する有効性 125
4.特発性全般てんかん(IGE)に対する有効性 125
5.その他の病態・疾患・症候群に対する有効性 126
6.他のAEDとの比較 126
7.発作の逆説的増加 127
8.QOLに対する有効性 127
9.てんかん以外の病態に対する効果 128
B レベチラセタムの効果発現までの時間差・効果の持続 128
C レベチラセタムの用量・効果関係 129
D レベチラセタムの安全性 130
1.副作用 130
2.精神・行動面への影響 131
3.妊娠・授乳への影響 132
第8章 ゾニサミドのてんかん治療における意義 139
A ゾニサミドの有効成分に関する理化学的知見 139
B ゾニサミドの作用機序と薬用量 140
C ゾニサミドの副作用 141
D ゾニサミドの小児てんかんにおける有効性 144
E 成人における二重盲検試験 145
F ウエスト症候群におけるゾニサミドの有用性 147
G てんかん性無呼吸発作におけるゾニサミドの有用性 149
H レノックス・ガストー症候群と大田原症候群 151
第9章 ペランパネルのてんかん治療における意義 155
A ペランパネルの開発経過 155
B ペランパネルの作用機序 155
C ペランパネルの薬理学的特性 156
1.AMPA受容体とGluA2サブユニット 156
2.ペランパネルの薬理学的特性 158
D ペランパネルの薬物動態・血中濃度・副作用 160
1.薬物動態 160
2.副作用 161
3.副作用の出現時期 161
E ペランパネルの有効性 164
1.併用療法 164
2.単剤療法 166
3.有効性が指摘されているてんかん類型 167
F ペランパネルの薬物相互作用 170
G ペランパネルの使用方法 170
H ペランパネルの使用上の留意点 172
I ペランパネルに期待される効果 173
第10章 ラコサミドのてんかん治療における意義 177
A ラコサミドの薬物動態・薬物相互作用 178
B ラコサミドの用法および用量 179
C ラコサミドの有効性 180
1.焦点発作 180
2.全般発作 182
D ラコサミドの副作用 183
E ラコサミドの精神面への作用 183
1.てんかん患者に対するLCMの精神面への作用 183
2.双極性障害患者に対するLCMの精神面への作用 185
F ラコサミドの認知機能への影響 188
G 今後の展望・課題 188
第11章 これからの抗てんかん薬の使い方 194
A 薬剤選択 194
1.作用機序が異なり,同じような副作用を発現しないAEDを選択する 197
2.現在処方中の薬剤との相互作用を考える 198
3.AED併用による効果を考える 199
B 患者治療の最終目標は患者のQOLを最大限にすること 199
C てんかん以外の疾患に対する使用 200
D 焦点発作に使用可能なAEDの特徴 203
E ペランパネルの2段階療法 204
F これからのAED選択 205
索引 211
巻末資料:抗てんかん薬 218