認知神経心理学的分析、手法を学ぶことで、より適切な言語治療へ!
本書では、第1章「理論的観点と方法」で、認知心理学と神経心理学との関係、従来のロゴジェン・モデルから、コネクショニスト・アプローチを代表するトライアングル・モデルまで、わかりやすく解説。続く第2章「各種神経心理症状の認知神経心理学的分析」で、失語症、読みの障害、発達性ディスレクシア、文と動詞について解説します。さいごに、「認知神経心理学的アプローチによる言語訓練」として、失語症、失読・失書、発達性ディレスレクシアへの指導方法を紹介。失語症臨床に新しい視点をプラスする1冊。
序 文
言語情報処理のモデルが提唱され,モデルに基づいて深層失読と表層失読の区分が提唱されてから半世紀を経た。わが国でも失読失書および失語症の認知神経心理学的分析が発表されるようになって40年以上が経過した。そのような中,日本高次脳機能障害学会(現 日本高次脳機能学会)のサテライトセミナーでは,言語の認知神経心理学を振り返り,現時点でその意義を評価することをテーマとして選び,その後さらに新たな執筆者にもお願いして本書の出版に至ることができた。びわこリハビリテーション専門職大学 教授
種村 純
■序文 種村 純
Chapter 1 理論的観点と方法
1. 認知神経心理学とその発展 辰巳 格 9
2. モジュール型モデルを仮定する従来のアプローチとコネクショニスト・アプローチ 三盃 亜美 51
3. 認知心理学との関係 日野 泰志 61
4. 神経心理学との関係 松田 実 72
コラム 意味失語について 松田 実 85
5. 刺激選択法:語彙特性,データベース,利用法 近藤 公久 87
6. 分析法:線形混合効果モデル 玉岡賀津雄 98
Chapter 2 各種神経心理症状の認知神経心理学的分析
1. 失語症 種村 純 111
2. 読みの障害 伊集院睦雄 123
3. 発達性読み書き障害(発達性dyslexia) 宇野 彰 144
4. 文と動詞の認知神経心理学 渡辺 眞澄 155
Topics 認知神経心理学的評価法─SALA失語症検査─ 吉田 敬,長塚 紀子 180
Chapter 3 認知神経心理学的アプローチによる言語訓練
1. 失語症 新貝 尚子 190
2. 失読と失書のセラピー 橋本 幸成 206
3. 発達性ディスレクシアの読み書きに対する認知神経心理学的指導 春原 則子 220
Topics Semantic Feature Analysis Treatment 石井 由起 229
■索引 239