
ガイドラインで標準化されていない「よくある」「まれな」事例に、どう対応する?
「文献が少なくてどうしたらいいかわからない」 「対応しきれているか不安」
糖尿病患者をとりまくさまざまな病態・合併症、臨床での困りごとにフォーカスした40項目をエキスパートたちが解説!糖尿病診療のリアルワールドをもとにした一冊。
●序文
読者の皆さんは、医学生時代に糖尿病という病気をどう捉えていただろうか。私が医学生であったころ、糖尿病という病気は、75gブドウ糖負荷試験を用いた診断基準も確立しており、診断が単純明快な病気だと思っていた。治療についても食品交換表を用いた食事療法があり、それを順守することが大切だと教わった。その当時は、糖尿病の経口薬はSU薬とビグアナイド薬の2種類しかなく、ビグアナイド薬もSU薬の補助的な役割でしかなかった。ところが、医師になって外来や病棟で糖尿病患者と接すると、診断は簡単だが治療は非常に難しいことを痛感した。(坂根直樹)
略記表 9
第1章 基本的な病態をガイドする
1 小児1型糖尿病 10
2 成人1型糖尿病の病態と治療 16
3 劇症1型糖尿病 22
4 緩徐進行1型糖尿病 28
5 高齢1型糖尿病 33
6 小児2型糖尿病 39
7 成人2型糖尿病 47
8 肥満を伴う2型糖尿病 55
9 ASCVD合併2型糖尿病 63
10 高齢2型糖尿病 72
11 妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠 79
12 ステロイド糖尿病 85
13 免疫チェックポイント阻害薬による1型糖尿病 92
14 脂肪萎縮症 99
15 高インスリン血性低血糖症 106
16 インスリン抵抗症(インスリン受容体異常症) 112
17 インスリン自己免疫症候群 120
18 ミトコンドリア糖尿病(MIDD) 126
19 若年発症成人型糖尿病(MODY) 134
20 胃切除後反応性低血糖 142
第2章 合併症をガイドする
21 神経障害 148
22 糖尿病網膜症 154
23 糖尿病性腎症 161
24 糖尿病性足潰瘍 169
25 認知症・軽度認知障害 176
26 重症低血糖 181
27 夜間低血糖の管理 186
28 無自覚低血糖 194
第3章 特殊な病態をガイドする
29 多囊胞性卵巣症候群 200
30 摂食障害を伴う1型糖尿病 206
31 検査前の薬物管理 213
32 災害時の薬物療法 219
33 経済的困窮者の薬物療法 225
34 COVID‒19禍での糖尿病診療 232
35 暁現象 238
36 インスリンボール 245
37 運動時のインスリン調節 252
38 ラマダン中の糖尿病管理 259
39 イメグリミン 265
40 糖尿病に対する外科治療(減量・代謝改善手術) 271
薬剤一覧 280
索引 284