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扱う疾患(希少疾患)の種類が多い脳神経内科。本書は、ガイドラインにない・ガイドラインの記載が膨大な症例に対しても、即座に解決策を見つけることができる実践的な薬物療法ガイドです。疾患ごとに分けられた豊富な項目とリアルな治療指針で、難解なケースにも対応できるよう強力にサポートします。忙しくてなかなか検索の時間がとれない先生も、臨床における自信を高め、治療の質を向上できる必携書です。
序文
本書は,ガイドラインにはない疾患のリアルな治療をガイドするシリーズの脳神経内科疾患版である。脳神経内科はどの科よりも扱う疾患の種類が多い。つまり希少疾患が多いのである。希少疾患は患者数の多い疾患と異なり質の高いRCTなどを行うことが難しいのでガイドラインの作成も困難である。必然的にケースシリーズやシステマティックレビューなどを参考にして治療方針を決定することになる。それらについて担当医が毎回文献を調べているのでは時間がいくらあっても足りない。本書では無数にある脳神経内科医が扱う疾患の中でもまずは脳血管障害と免疫性疾患に絞って執筆を行った。ただし脳血管障害および免疫性疾患だけでも全体をカバーすると膨大な量になってしまう。そのため臨床医が実際に直面する現場で判断に迷うような疾患や病態に絞って執筆をした。読者らはガイドラインがない疾患に対して「なんとなく正しいだろう」の治療選択から「今ある知見の中ではベストだろう」の治療選択へ一歩進むことが可能になる。太田 浄文
第1章 脳血管障害
1 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS) 5
2 虚血性心疾患および心房細動合併脳梗塞 11
3 脳動脈解離 19
4 線維筋性形成異常症 32
5 可逆性脳血管攣縮症候群 38
6 原発性中枢神経限局性血管炎 46
7 脳静脈血栓症 51
8 脳小血管病 57
第2章 感染・炎症性疾患
9 髄膜炎 64
10 脳炎 72
11 NMDA受容体脳炎 75
12 LGI1抗体脳炎 86
13 CASPR2抗体症候群 91
14 多発性硬化症(MS) 98
15 視神経脊髄炎 114
16 MOG抗体関連疾患 126
17 神経Sweet病 130
18 橋本脳症 136
19 神経サルコイドーシス 140
20 特発性眼窩筋炎 146
索引 150