日本精神神経学会専門医認定試験問題
解答と解説 第4集〔第10回~第12回〕

日本精神神経学会 専門医制度試験委員会:編著

2024年発行 A4判 212頁
定価(本体価格6,000円+税)消費税10%込(6,600円)
ISBN 9784880029337

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内容の説明

第10~12回精神科専門医認定試験問題の解説集。精神医学の基礎から症例を通した治療対応の判断、社会制度の知識など領域ごとにわかりやすく解説。専門医試験対策+臨床でも役立つ1冊。

序 文

 日本精神神経学会は、必要な知識・技能・態度をもつ精神科医を認定し育成することを目的に、2006年より専門医制度を開始した。2018年度以降に研修を開始した者からは、日本専門医機構が承認した研修プログラムを修了することが義務付けられ、2021年度からは本学会と専門医機構の専門医認定試験が並行して実施されている。この解答と解説第4集は、第10回(2018年)、第11回(2019年)、第12回(2021年)の精神科専門医試験に出題された筆記問題を概説したものである。
 精神科専門医認定試験の筆記問題は、各分野からまんべんなく出題され、脳波や頭部画像などの読み取りや、近年では英語での出題もある。専門医試験が発足し10回を超えたが、診療上重要と考えられる内容は繰り返し出題されているので注目いただきたい。筆記問題の作成は、ICD-10の診断基準に準拠しているため、現在主に用いられるDSM-5や、近々日本語版が発売予定のICD-11の診断基準とは若干異なり、受験者には違和感を覚える作問があるかもしれないが、厚生労働省の指導のもと、日本専門医機構により認定された試験であるためとご理解いただきたい。また、現在の医学的常識と解答が食い違うものもあるかもしれない。とはいえ、専門医として求められる知識・技能・態度に変わりはなく、出題当時の意図を汲みながら、2024年時点での診療の現状に沿うよう解説しているため、これから受験する者にとって、かならず役立つはずである。学習する際には、本書に記載されていることだけでなく、参考文献を手にとっていただき、精神科領域の理解を深めるとともに、可能なら、他の手段により最新の情報を確認するなどの工夫を心がけてほしい。この機会に生涯学習する習慣をぜひ身につけてほしいと願う。
 日本専門医機構では、専門医とは「それぞれの診療領域における適切な教育を受けて、十分な知識・経験を持ち患者から信頼される標準的な医療を提供できるとともに先端的な医療を理解し情報を提供できる医師」と定義されている。本学会の行う専門医認定試験は、この内容に沿い行われ、上述のように第13回(2021年)からは、日本専門医機構認定の専門医試験も同時に行われることとなり、どちらの筆記試験も、問題に差はない。本書が、読者の精神科専門医としての発展の一助となれば本望である。

日本精神神経学会 専門医制度試験委員会

おもな目次

総論
 1. 面接・精神療法 9
 2. 心理社会・精神科リハビリテーション・地域精神医療・保健・福祉・法 17
 3. 救急・リエゾン・歴史 28
各論
 4. 統合失調症 45
 5. 気分(感情)障害 75
 6. 神経症性障害、ストレス関連障害および身体表現性障害(摂食障害を含む) 105
 7. 児童・思春期精神障害 132
 8. 精神作用物質使用による精神および行動の障害 147
 9. 症状性を含む器質性精神障害(認知症など)・睡眠障害・てんかん 162
 10. 成人のパーソナリティおよび行動の障害 190

索引 205