
大ロングセラー「学校に行けない子どもたちへの対応ハンドブック」、
約15年の時を経た待望の改訂版!
小児心療科の医師として、長年不登校支援の最前線で診療してきた著者が、
冷静かつ暖かい視点で、子どもを支える医師・教師・家族のためにまとめたこころのガイド。
「学校は行くのが当たり前」の時代から
「学校なんか別に行かなくていい」時代へと変わりつつあります。
とはいえ「行かないでいい」と割り切れるのはいまだ一部の人たちで、
現在でも学校に行けなくなると、行けなくなった子ども自身もその家族も、
どうしたらよいのか悩み苦しむことが多いのが現実です。
どのような不登校にも共通する大きな問題は
「成長に必要な社会参加の機会が奪われてしまう」ということです。
本書は、不登校に伴う問題のうち「いかに社会参加をすすめるか」という点に注目し、
その対応をできるだけ実践的に記載しました。
なかなか一歩が踏み出せない子どもの複雑な状態、不安な気持ちをどう理解し、
どう和らげながら次の一歩を踏み出してもらうのか、
そのための方策を、本書で一緒に考えていきましょう。
著者の豊富な経験や知識に基づく21本のコラムと、「家族へのアドバイス」11本も必読です。
はじめに 12
Chapter 1 不登校について考える前に
子どもと学校との関わり 16
子どもの「こころ」の成長における学校の役割 16
学校における人間関係の問題点 17
周囲の人たちと安定した関係を形成する能力とは 19
不登校の子どもに必要な支援とは 21
Chapter 2 不登校に関わるもの
こころの問題はどのように起きるか 24
不登校が始まるとき 24
子どもの素因 25
環境の問題 35
ストレス耐性 38
不登校は3つの因子のバランスによって生じる 40
もっとも影響が大きいと考えられる因子によって不登校のタイプを分ける 41
Chapter 3 不登校はどのように経過するか
不登校の経過とこころのエネルギー 50
こころのエネルギーの回復過程として不登校の経過を考える 52
各期の解説 53
不登校の経過におけるバリエーション 57
Chapter 4 不登校対応の基本プラン
実際の対応手順 62
子どもの状態を理解する 62
対応は二段構えで 63
最終目標をどう考えるか 65
Chapter 5 不登校の因子に対するアプローチ
子どもの素因に対するアプローチ 68
環境に対するアプローチ 72
ストレス耐性に対するアプローチ 74
Chapter 6 不登校の時期に応じたアプローチ
前駆期 80
混乱期 85
休養期 90
回復期 93
助走期 96
助走期から復帰期へ 105
復帰期 113
Chapter 7 不登校,その後
不登校の子どもの社会復帰 122
高校にうまく進めなかったとき 124
仕事にうまく就けないとき 126
あとがき 130
参考文献 134
コラム
ネット上の友だち 18
神経発達症(発達障害)の診断について 26
体力のない子 31
ダムの図におけるストレス耐性のイメージ 40
いじめと心的外傷後ストレス障害 44
不登校に関わる因子が年齢によってどう変化するか 46
解離症・変換症(転換性障害) 71
要保護児童対策地域協議会 73
いじめの問題にどう関わるか 74
ストレスコーピング 75
「行きたくない」のか「行きたいけど行けない」のか 82
概日リズム睡眠・覚醒障害 88
不安が強い子どもたち 92
イベントがきっかけになるか 95
登校ハードルについて 97
給食をどうするか 99
分離不安症 101
転校は是か非か 104
進路選定の実際 108
高校選択をこころのエネルギーとの関連で考えてみる 112
高校が続けられるかどうか 115
家族へのアドバイス
不安が強い子どもの不登校の経過 29
きょうだい例の不登校 43
低学年からの行き渋り 47
登校渋りへの対応 81
前駆期対応の大切さとその限界 84
ゲーム・ネット依存について 89
待つことの大切さ 91
回復期の働きかけ 96
家族がどのくらい通学を手伝うか 100
こころの回復には時間がかかる 120
つながってさえいればきっといつか動き始める 129